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接着剤 ― 米糊・にかわ・ぎんなん草

自然のパワーを活かして

無添加住宅は、集成材の貼り合わせなどに使う糊を手づくりの米糊にしています。米糊の接着力は強く、木工用ボンドとほぼ同じ強度です。米糊で組み立てられた仏像は300年以上経っても壊れていません。また、「にかわ」という動物の骨や皮を煮て精製してできるゼラチンを使った接着剤も作っています。高温では液状ですが、常温では固形になる特性を利用します。にかわは、食品や化粧品にも使用されている「コラーゲン」です。米糊は接着に1日以上かかりますが、にかわは素早く接着できる、素晴らしい接着剤なのです。主に床材の貼り付け等に使用しています。その他、漆喰には「ぎんなん草」という、お味噌汁の具として食べられる海藻を煮詰めドロドロにした糊を混ぜます。糊の保水効果により、漆喰に適度の粘土を与えて、こて塗りの作業性を良くするためです。

味わい深い色合いを楽しむ

米糊は、日本では奈良時代の頃から建具や家具の接着剤として「続飯(そくい)」と呼ばれ、使われだしたそうです。米が熱によってα化(高分子化)することにより「糊」になるのですが、α化したものはとても耐久性があり、300年以上持つと言われています。また、木と米の化学式(C6H10O5)は同じなので、伸縮率も同じです。木が伸縮したりするときに、糊も同じく伸び縮みするので接着面で割れたりはがしたりしにくいのです。